高野山 町石道と京大坂道

今日は高野山に登ってきました。
高野山は山全体が真言宗の境内地であり、山上に築かれた一大宗教都市なので、ガッツリ登山というよりマッタリ参拝といったイメージですね。
今日は紅葉の時期かつ天気が良いせいか、多くのハイカーや観光客で賑わってました。

高野山へは高野七口(こうやななくち)と呼ばれる7つの参詣道(さんけいみち)がありますが、北側から登れるコースは下記3つでいずれも世界遺産「高野参詣道」の構成資産の一部として登録されています。

①町石道(ちょういしみち)
慈尊院(じそんいん)から高野山へ通じる表参道(20km)

②京大坂道(きょうおおさかみち)
学文路(かむろ)から高野山へ通じる参詣道(13km)

③黒河道(くろこみち)
橋本から高野山へ通じる参詣道(20km)

このうち黒河道は現在一部道路崩落により迂回が必要という事なので、登りは町石道で、下りは京大坂道をチョイス。

南海高野線の九度山(くどやま)駅からスタート。
2016年の大河ドラマ「真田丸」で一躍有名になった駅で当時は多くの観光客が訪れたのでしょう。
下車すると駅舎が真田家の家紋である六文銭であしらったデザインになっており、未だに真田丸の余韻を感じさせる雰囲気。

まずは女人高野(にょにんこうや)と呼ばれる慈尊院を目指します。
弘法大師の母である玉依御前(たまよりごぜん)が暮らしていた宿所。
大師が月に九回母に会いに来たので、九度山という地名になったのだとか。

町石道はコース全編踏み跡明瞭で、随所に道標が設置されており、迷うようなところはありません。迷いたくても迷えないみたいな感じ。
危険箇所もなく老若男女誰もが安心して歩けるコース。

登り始めは遠くに和泉山脈が見えます。
展望台もありますが、これ以降、町石道には眺望が殆どありません。ひたすら杉林の中を歩き(走り)続ける羽目に。

これは柿の木かな? 九度山は、富有柿(ふゆうがき)の名産地だとか。

町石道には一町(109m)ごとに合計180基の町石(ちょういし)と呼ばれる高さ約3メートル強の卒塔婆(そとば)形の石柱が置かれています。
平安時代は木製の卒塔婆だったのが、鎌倉時代になって石柱に変更されたのだとか。
よくこんな重たい物を180本も山の中に設置したな~

最初は登りが続きますが、ある程度登り切るとほぼフラットな尾根沿いを延々と進む事になります。トレイルランナー御用達コースなのがよくわかる。
但し、眺望のない杉林の中を歩き続けるので段々と飽きてきます。イメージ的にはダイトレから丸太階段とアップダウンを取り除いた感じかな。

これはニュースで話題となった無断掘削現場ですね。
爺さん、水はけよくしようと親切心でやったのだろうけど、普通、山道を無断で掘ったりしないわな。

途中、何やら騒がしい人声がするな~と思ってたら、なんとトレイル横にゴルフ場(紀伊高原ゴルフクラブ)がありました (>_<)。

いったん国道480号線に出て横断し、焼もちで有名な矢立茶屋(やたてちゃや)の横を進んで再びトレイルに入り、さらにもう一度国道を横断します。

けっこう進んできた感じがするので大門(だいもん)が近いはずなんだけど、ここから意外に距離があってしんどい。

やっとこさ高野山の入口である大門に到着。ここまで18.8km、3時間17分。

大門通りを西へ進むと聖地である壇上伽藍(だんじょうがらん)に到着。
鮮やかな朱色が目立つ根本大塔(こんぽんだいとう)が町石道のゴール。

さらに西へ進んで真言宗総本山の金剛峯寺(こんごうぶじ)に到着。
ここまで20.2km、3時間34分。けっこう疲れたので休憩。

さて帰りますか。
京大坂道で下山するので、とりあえず不動坂口にある女人堂を目指します。
徳川家霊台(とくがわけれいだい)前を通過(振り返って撮影)。

不動坂口へ向かって坂を登り切ると~

女人堂に到着。
高野山は明治39年まで女人禁制でした。そのため高野山に参拝したい女性は高野七口の参詣道入口に建てられた女人堂に籠もって祈りを捧げるしかなかったのです。ここ不動坂口にあるのが唯一現存する女人堂。

ここから極楽橋に向かってロードを下ります。ここは車両通行不可なので歩き易いですが、落石や断崖絶壁箇所があるので要注意。
極楽橋までの一部区間は旧道(トレイル)と新道(舗装道路)とに分かれますが、今日は新道を選択。

極楽橋(535m)を越えてからは学文路まで車両が通行する舗装道路。
横を特急こうやが走ってます。

京大坂道は全区間が舗装道路なんですが、こんなに狭くてまるでサイクリングロードみたい。片側が断崖絶壁の箇所もあり、たまに車両が通行するけど避けるスペースが乏しくてけっこう危ないです。

途中、日本最後の仇討ち場を通過(明治4年)。
かなり寂しげな場所だけど・・・

最後にひと山越えると葛城山脈と橋本市街地が見えてきました。
坂を下って学文路駅にゴール。
ここは「学問(文)の路に通じる」という事で、入試シーズンに5枚入り入場券が販売されるらしい。

本日の走行距離33km、タイム5時間37分、最高気温13度。

おわり

本日の活動軌跡