鈴鹿三座周回 釈迦ヶ岳と雨乞岳と御在所岳

今日は、初めて三重県と滋賀県との県境にある鈴鹿山脈へ山登りに行って来ました。
有名な鈴鹿セブンマウンテンのうち、釈迦ヶ岳(しゃかがだけ) → 雨乞岳(あまごいだけ) → 御在所岳(ございしょだけ)の三座周回コース。

いや~、今日はキツかった! こんな大変なところだったとは・・・
予定では距離22km程度なんで、まあ7~8時間もあれば十分回れるでしょと軽く考えてましたが、とにかく峰々が急峻で歩きにくい箇所が多くて予想外に時間を食ってしまい、休憩なしで丸9時間もかかってしまった。

最後の超激坂下山ルートではとにかく安全第一を考えてゆっくりゆっくり歩いてたのと、今日は台風並みの爆風が吹き荒れていたのも誤算でした。ほんとに吹き飛ばされるような猛烈な風速で、ハライド山頂付近では冗談抜きでほふく前進じゃないと進めないような状態。まるでレンジャー部隊かよっ!って感じ。

朝明(あさけ)駐車場(500円)に車を駐めてスタート。
まずは釈迦ヶ岳を目指します。主に庵座谷(あんざだに)ルートと中尾根ルートがある様子で、自分は中尾根ルートを選択。急登なのでユルユル登っていきます。

途中景色の良い箇所で振り返ると遠くに御在所岳が見えます(たぶん)。えっ、あんなところまで行くの?って、他人事みたいだけど少し不安になってくる。

激坂をひたすら登っていきます。この頃はまだ風もなくて穏やかな雰囲気だったんですけどね・・・

ちょっとフラットになりましたが、正面に見えるのが釈迦ヶ岳でしょうか?

岩場の分岐点までやって来ました。ここを真っ直ぐに進むと危険な岩場を越えねばならない。

自分はもちろん西側へ迂回します。

迂回ルートもけっこうな岩場ですけどね・・・

尾根道に出てここで岩場越のコースと合流。こんなナイフリッジを越えてくるみたい。
近づかないほうが無難ですね。

徐々に山頂が近づいて来ましたが・・・

小ピークを越えるとこんなのが出てきました。どうやらここを登っていくみたい。マジ?
ここは大蔭(おおかげ)のガレと言って有名スポットらしい。
実際に歩くと見た目と違ってトレイル幅も広く全然恐くありません。

釈迦ヶ岳の最高点(1,097m)に到着。
紛らわしいですが、ここは最高点と山頂が違い山頂はもう少し先にあるのです。

少し進んで釈迦ヶ岳山頂(1,092m)に到着。ここまで2.6km、1時間22分。
ここは眺望が良くて鈴鹿市街地がよく見渡せます。

次は羽鳥峰(はとみね)を目指すので、ここでくるっと向きを変えて西南方向へ。ここからしばらくは見晴らしの良い尾根道が続きます。

猫岳を越えてこんな感じの平和な感じのトレイルを歩いていきます。
この辺りは、なかなか良い道が続くな~と思ってました。

羽鳥峰(823m)に到着。ここまで6.2km、2時間32分。

山頂からは、進行方向にネットでよく見かけるハートの地上絵が見えました(写真中央)。これは小石で描いてるのですね。

次は根の平峠(ねのひらとうげ)を目指します。
左側が崩落したヤセ尾根をビビりながら通過。

似たような景色のトレイルを進むと、なにやら十字路が見えてきましたが・・・
中峠に到着。ここまで6.7km、2時間42分。
ここを左折すると朝明渓谷経由でスタート地点に戻れるのですが、ここは直進。

根の平峠に到着。ここまで7.8km、3時間2分。
自分はここを右折して杉峠方面へ、真っ直ぐ進むと国見岳を経由して御在所岳へ。

ここから先の杉峠へ向かうルートは旧千草街道(きゅうちぐさかいどう)と言って、歴史的には伊勢と近江を結ぶ山越えルートとして近江商人などに盛んに利用されたのだとか。

戦国時代には、越前朝倉攻めに失敗した織田信長が岐阜へ脱出を図ろうとこの山道を通過した際に射撃名手である杉谷善住坊(すぎたにぜんじゅぼう)に狙撃され未遂に終わったところ。
そう言えば昔NHK大河ドラマ「黄金の日々」で川谷拓三が善住坊役を演じてたなあ~って、古すぎるわ。

ここからは、ちょっとコースの雰囲気が変わります。

上水晶谷(かみすいしょうだに)出合に到着。ここを渡渉して谷沿いを進む。

しばらく谷沿いを進むとコクイ谷(左)と上水晶谷(右)との分岐点であるコクイ谷出合に到着。変わった名前ですね。
コクイ谷沿いを南へ進むコースは、道迷いによる遭難多発地域らしい。

自分はこのまま上水晶谷に沿って進まねばならないので川を渡渉する必要があるのですが、渡れそうなとこが見あたらない。
これどうやって渡るんかな?って少し考えてましたが、適当な渡渉ポイントを見つけて何とか渡れました。
ここから先も同じような渡渉を何度か繰り返すので、梅雨時等の水量が多い時はこのルートは使えないんじゃないかな?

途中から谷を外れて御池鉱山旧跡(おいけこうざんきゅうせき)を経て杉峠に到着。ここまで11.8km、4時間31分。
杉峠なので杉が立ってますが、なんとなく柳生街道にある十兵衛杉に似てる。

東側から登ってきたのでわからなかったのですが、杉峠に到着するともの凄い西風が吹きつけており、ここから先はまともに風を受けるようになって歩行に支障が出るようになってきました。今日は山の西側と尾根が爆風で、東側は比較的穏やかだったと思う。

ここから雨乞岳にアタック!
写真ではなだらかな斜面に見えますが、実際にはかなりの斜度。
ここはロープで迂回路が示されていましたが、自分はよくわからずに直登激坂ルートを選択したので大変でした。

頂上に達するとそこは偽ピークでガックリ。山頂はさらに奥に控えてたのです。

山頂手前は背丈を超えるくらいの熊笹で覆われておりとても歩きにくい。
熊笹との格闘に無駄な労力を費やしながらも何とか雨乞岳(1,237m)に到着。
ここまで12.4km、4時間56分。

ふ~ やっと着いたかって感じですが、まだ距離半分だし予定時間をかなりオーバーしてるので先を急ぎます。
この辺りで「これ8時間は無理っぽいな」と、それでも御在所岳まで行けばあとは下りだけだから(実際には違った)意外に早く帰れるのかなと思ったり・・・

東雨乞岳に向けて尾根道を進みますが凄まじい風が吹き荒れています。
この辺りも笹が邪魔でとても歩きにくい。

東雨乞岳(1,225m)に到着。ここは遮るものが何もないので、景色は抜群に良いのですが、今日は爆風でまともに立っていられない感じで、下記写真も必死のパッチで撮ったもの。ほんとに吹き飛ばされそうになるので早々に退散。
写真で見ると実に平和な雰囲気なんですけどね・・・

ここからいったん下って武平峠(ぶへいとうげ)方面へクラ谷沿いを歩いていきます。ここは何度も渡渉を繰り返して進むような感じ。

クラ谷分岐までやってきました。杉峠手前のコクイ谷出合からコクイ谷沿いを南下するとここに出てくるみたい。
下記写真は、進行方向の武平峠側。

少し進んで沢谷峠に到着。ここまで15.4km、6時間13分。
ここから破線ルートを使って御在所岳へ登っていきます。ここは遭難多発地域なのだとか。下記のような看板があると小心者オヤジはビビってしまうけど、まさしく今〇印の地点にいます。

武平峠へはこのまま右方向へ道なりに進みますが、今日はここを左上に登っていきます。標識が何もないので気をつけてないと見落としてしまいそうな感じ。
尾根に乗るまで踏み跡が薄いので少しわかりにくいですが、とにかく登っていけば尾根道に出合うので迷う事はないんじゃないかな。

尾根に乗ると踏み跡があって、あとは一本道なので道なりに進めばいいだけ。

登り詰めると御嶽大権現(おんたけだいごんげん)という神社の社殿裏に出ます。
ここから左手に見える山頂へ。右手奥はロープウェイ乗り場。

御在所岳(1,212)山頂に到着。ここまで16.7km、6時間49分。
ふ~、これで今日のノルマを達成。しかし予定時間オーバーで、この時点で8時間内完走は無理と確信。まあ今日のペースだと仕方ないし安全第一なのでね。
ここも爆風が吹き荒れているので早々に退散。この風だとロープウェイは運休かなと思ってたら営業してたのでビックリ。山の東側を運行しているので影響が少なかったのかな。

ここからは国見岳とハライド経由で朝明駐車場に戻ります。
国見峠側に下りると、そこには恐竜が・・・
恐竜岩?と思ってたら、ハンバーガー岩と言うらしい。

自分は御在所岳から先は下山するだけと考えてましたが、実はそうではなく、国見岳とハライドという小高い山を二つ越える必要があったのです。今日は何故か距離の割に疲労感が強く、まだ登りがあるんか~ってもうウンザリ。
国見岳に登る途中で振り返ると険しい御在所岳の山容(三重県側)が見えました。けっこう荒々しいですね。

ここからハライドまでの下りは尋常じゃない程のヤセ尾根急降下ルートが続きます。加えて花崗岩の風化した滑りやすい地質なので、これどうやって下りるんかな?って考え込んでしまったほど。今日のコースではここが一番歩きにくかったし、下りで使うようなルートじゃないなと思いました。

ゆっくり下って腰越峠(こしごえとうげ)に到着。ハライドが前方にそびえ立っている。
冒頭に記載したようにここを登る頃が爆風のピークだったみたいで、ほふく前進で進みながら「何で俺はこんなところで這いつくばってもがいてるんやろ」と素朴な疑問が頭をよぎりましたが・・・
山頂を越えてからも激坂下りで嫌になったけど、ゆっくりと慎重に歩いて無事に朝明駐車場に帰還。ふ~ 今日は疲れた~

本日の総距離21.3km、タイム8時間57分。

おわり

本日の活動軌跡