高野山 黒河道と町石道

今日は久しぶりに高野山に登ってきました(2回目)。
本日の総距離39.5km、タイム7時間26分、最高気温16度、累積標高2,272m。

高野山へは高野七口(こうやななくち)と呼ばれる7つの参詣道(さんけいみち)がありますが、北側から登れるコースは下記3つでいずれも世界遺産「高野参詣道」の構成資産の一部として登録されています。

①町石道(ちょういしみち)
慈尊院(じそんいん)から高野山へ通じる表参道でほぼトレイル(21km)

②京大坂道(きょうおおさかみち)
学文路(かむろ)から高野山へ通じる参詣道でほぼロード(13km)

③黒河道(くろこみち)
橋本から高野山へ通じる参詣道でトレイルが大半だが一部ロード(18km)

前回は黒河道が大雨による一部道路崩落で迂回が必要だったため登りは町石道で下りは京大坂道を利用しましたが、5月に通行止めが解除されたので今回は黒河道を登りで利用。

黒河道はダイトレみたいに眺望の無い山の中をただひたすら歩き続けるイメージ。
町石道より道は狭く少し荒れ気味ですが、標識が随所にあり踏み跡もしっかりしているので迷うような箇所はなく、特に危険箇所もありません。
ただ上記3コースのうち最も人気無い様子で、今日は高野山まで誰にも会わず。

【前回コース】
九度山駅 → 町石道 → 高野山 → 京大坂道 → 学文路駅 約33km

【今回コース】
橋本駅 → 黒河道 → 高野山 →町石道 → 九度山駅 約40km

橋本駅よりスタートして紀ノ川を渡り少し進んだところに黒河道の起点である定福寺(じょうふくじ)があります。

橋本市は渋柿や富有柿の産地として有名。振り返ると市街地が見渡せる柿の木畑が広がる農道を上っていきます。

標識図を見てもらえばわかりますが、黒河道はまず標高400m程度の小高い山を一つ越えねばならない。

トレイルを歩いたりロードを走ったりして坂道を上っていくと・・・

明神ヶ田和(みょうじんがたわ、443m)という集落に到着。
ここが峠になっていてここから標高200mくらいまでいったん下ります。

舗装された林道なので歩き易い。

しばらく沢沿いを歩きます。

一つ目の山越えが終わり、丹生川(にゅうがわ)に架かる市平橋(いちだいらばし)を渡ります。

ここから高野山に向けて本格的な登りの始まり。

市平集落にある柿農家の横を通り抜けるようになってますが、これって私有地じゃないのかな?

杉林の中を登っていきますが、何となく雰囲気がダイトレに似てる。
黒河道は秀吉が馬で駆け下りたという逸話があるのだけど、これは普通に無理でしょ。

登りきると久保小学校跡に建つ「くどやま森の童話館」に到着。
こんなところに小学校があったんですね。通うの大変だったろうに・・・

ここから嫌になるくらいダラダラと登りが続くので泣きそうになる。

途中に雪池山(984m)というのがありますが「しんど過ぎて寄ってられんわ!」という事で当然にパス。

子継峠(こつぎとうげ)を越えましたが、ここで女人道(にょにんみち)と合流。
女人道とは高野七口に設けられた女人堂と高野三山と呼ばれる摩尼山(まにさん)、楊柳山(ようりゅうさん)、転軸山(てんじくさん)を結ぶ巡礼路。

峠を過ぎるとなだらかな道になってきたので、もうすぐ高野山に到着するかな?

やっとこさ金剛峯寺に到着。ここまで17.5km、3時間43分。
下記写真は金剛峯寺本殿ですが、もともと金剛峯寺とは高野山全体を指すのだとか。高野山は一山境内地(いっさんけいだいち)と称し、高野山全体がお寺なのです。

ところで高野山の頂上はどこにあるのでしょうか?
実は高野山には「高野山」という山は存在せず、蓮の華に見立てた八葉(はちよう)の峰と呼ばれる1,000m前後の八つの山々(上記高野三山含む)に囲まれた山上の盆地を指すのですね。

少し進んで壇上伽藍(だんじょうがらん)の根本大塔に到着。

高野山全体の本堂に相当する金堂(こんどう)。

高野山の正門である大門(だいもん)に到着。ここまで18.4km、4時間9分。
疲れたのでここでジャムパン食べて少し休憩。

さて、今日はここから町石道で下山します。
慈尊院まで基本的には下りですが、距離が19kmもあるので意外に時間かかりました。

「やきもち」で有名な矢立茶屋に到着。ここまで24.1km、5時間2分。

「無」になってただひたすらに歩き続けます。これぞまさしく修験道。

町石道には一町(109m)ごとに合計180基の町石(ちょういし)と呼ばれる高さ約3メートル強の卒塔婆(そとば)形の石柱が置かれています。
平安時代は木製の卒塔婆だったのが、鎌倉時代になって石柱に変更されたのだとか。

九度山市街地が見えてきた~

慈尊院に到着。ここまで37.0km、7時間9分。
弘法大師の母である玉依御前(たまよりごぜん)が暮らしていた宿所。
大師が月に九回母に会いに来たので、九度山という地名になったのだとか。

あとはロードを2.5km走って九度山駅に到着。ふ~ 今日は疲れた~

おわり

本日の活動軌跡